是正勧告

 

是正勧告とは労働基準法違反等に対し労働基準監督署が発する監督・指導のことです。通常、臨検といわれる監督署の調査や労働者からの訴えに基づきおこなわれます。違反事項については一定期日内に改善措置をとり、是正報告書を提出することになります。

 

ちなみに法律違反ではないが、労務管理や安全衛生上改善することが好ましい事項については指導票が交付されることがあります。

 

是正勧告のなかでもとりわけ多いのが賃金不払残業(サービス残業)に関するものです。

 

 

サービス残業について是正勧告が多い背景には

 

企業のリストラによる経費削減で長時間労働やサービス残業を強いられている労働者の増加にともない、厚生労働省が「賃金不払い残業の解消を図るために講ずべき措置等に関する指針」を策定し、労働基準監督署がサービス残業に対し重点監督をおこなっています。

 

検索サイトで「残業代」と検索してみてください。残業代の計算方法から内容証明の作成まで、不払残業代の請求のしかたを詳細に解説したサイトがいくつも存在します。なかには「支払われた残業代の一部を成功報酬として・・・」などというものまであります。

 

終身雇用制が崩壊し転職があたりまえという雇用状況を背景に、労働者は雇用契約や労働基準法の遵守を会社側に強く要求するようになってきています。

 

サービス残業に対する是正勧告が頻発しています

 

遡及是正させられた主な事案の概要

 

製造業 自己申告制採用事業場において、正確な就業時刻を申告させていなかったもの。
→ 労働者150名について4,177万円の遡及支払い
商業A IDカードシステムにより労働時間を管理していた事業場において、計画終業時刻を定め、計画終業時刻を30分以上超過するとエラーとし、計画終業時刻となるようシステムを設定し、実際の時間外労働に応じた割増賃金を支払っていなかった。
→ 7店舗の労働者372名について1億922万円の遡及支払い
商業B 自己申告制採用事業場において、実際にはICカードシステムによって出退勤の管理をおこなっていたにもかかわらず、正確な時間外労働に基づいた割増賃金を支払っていなかった。
→ 9店舗の労働者655名について3,739万円の遡及支払い
清掃・と畜業 自己申告制採用事業場において、始業前・始業後の30分未満の労働時間を自己申告させず、その時間を切り捨てて、割増賃金を支払っていたもの。
→ 労働者1,599名について2,710万円の遡及支払い

法人に対する税務署の調査が定期的におこなわれるのに対し、労働基準監督署の定期監督の数はきわめて少ないのが現状です。多くは労働者からの法令違反に対する申告に基づきおこなわれる申告監督です。

税務調査は3年なり5年なり、一定の期間に必ずあるものとして経営者は多少なりとも心構えができていますが、突然に労働者から訴えられるという事態を想定していません。

法定帳簿の整備はされているか

 

労働者名簿・出勤簿(タイムカード)・賃金台帳

 

  • 法定帳簿に記載漏れはないか
  • 雇用契約書・賃金規程に定められた賃金と賃金台帳の整合性はあるか
  • 労働者名簿の入社日と出勤簿の日付、保険取得日との整合性はとれているか
  • タイムカードと賃金台帳の残業代の計算に整合性はあるか
  • タイムカードと時間外・休日労働の協定との整合性はとれているか

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